2013年4月11日木曜日

永野護さんのデザインって・・・

2chスレ内で見かけた例えでなるほどなぁ・・・ってのがあった。


コンセプトカーとかファッション業界のオートクチュールに出展するようなデザインだっていうこと。

デザイナーがこのデザインこのままを売るつもりで発表してるわけではなく、考え方や方向性といったものを見せる場であり、鮮烈な個性をぶつけあったりするわけだ。

コンセプトカーやオートクチュール作品というのは誰が見たって「おお。おもしろいな」とは思ってもそれを町中で乗り回したり、着て歩いたりしたいと思わないだろう。
中には変わった人もいるだろうが、そんな極端な顧客を相手に商売をしようとしてるのが、奇人永野護さんなわけで・・・。

永野さんのデザインを面白いなと思っている私でも大衆向けとしては売れんやろ・・・って思うわけでございます。

コンセプトカーを出したメーカーやオートクチュールに出した工房だって、一般販売向けはコンセプトの角を取ってまる~くして、大衆受けするように再構成するわけで。
日本車の軽自動車が余りにも最大公約数的なツマラナイデザインだとは思うけど、それが普通に売るデザインだったりするわけで。
一流ブランドのファッションがびっくりするほど突飛なデザインをしているわけでもなくて。

ガンダムであれば、映像化、製品化するまでにいろんなデザイナーの手を渡ることでデザインが丸くなってると思う。
または、大河原さんのガンダムというのはこういうものという大きな枠の中でのデザイン。
カトキさんがいて、渕さんがいて、安彦さんがいて、シドミードがいて?!etc・・・
バンダイの立体化の都合などがあって・・・
そういう紆余曲折ありながら、たくさん売れるデザインになったのが市場に出たガンダムという製品。
ブサイクから美女まで芸能人の顔を合成した絵がそこそこ誰にも良い感じに見える「普通にイイ顔」になった実験のようなもの。

永野さんがやってるのはコンセプトカーそのまんま。クチュール作品そのまんま。
デザイナー永野護一人が巻き起こすワガママで一人よがりな映像化であり立体化。
永野護という種が近親交配を繰り返して生み出された一種異様な世界。
そこにあるのは衰退しかないとは思うのだけど、それはそれで独特な面白さがあるわけです。



人間というのは急激な変化に対して、多くは拒否反応を示すもの。
ガンダムでもいきなり突飛なデザインを出されたら賛否両論になった。ヒゲのように。
日曜朝の特撮でもシリーズが変われば前のほうが良かった・・・と違和感を示す人たち。
変化というのはなんとも居心地の悪いものだけど、そのうち馴染んでくるものでもある。

永野さんの中ではこの十数年の間にMHがGTMに変わっていく緩やかな変遷というのが頭のなかにあったはずだ。
しかし今回の連載再開では、旧12巻やリブート7巻の後に再スタートしたデザインとしては余りにも強烈な変化だったわけです。
そら、昔のほうが良かった・・・という読者がゴマンといておかしくないわな。
こんな居心地の悪いこと無いもんな。

こう書いているともう一つオモシロソウな事がありまして、このMHがGTMに変わってしまった空白の時間の間に永野さんの大量の没絵があるはずなんですよね。
いきなりあの関節、あのフォルムに変わった訳じゃないはずなんす。

見てぇな~・・・それ見てぇなぁ~・・・みせてほしいなーーーぁ!
めっちゃオモロイとおもうんだけどなぁー!


永野さんの悪口を書いているような部分がありますが、失望しているわけでもないし、オモロイので私は好きです。

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